もるげん3分前

もるげんれえてとそのサークル「Horizont」のスペース。宣伝の他に呼んだ本や映画の感想、最近のこととかを書いていきます。pixiv→http://www.pixiv.net/member.php?id=270447、ツイッター→https://twitter.com/morghenrate

もるげん当直の流儀

気付けば梅雨本番。
花粉が終わって外干しもできるなーと思っていたらジメジメシーズンの到来ですよ。
我が家の浴室乾燥機が今日も唸る。
電気代も唸る。
仕方ないと割り切っても休みが少ない専攻医にはこうするしかないのです。
土日も当直だし、月の半分くらい当直してる気がする……
 
さて、今日はそんな当直まみれなもるげんが当直をどう過ごしているか、そんな姿をお見せします。
興味がないかもしれないですが、一般の方には「医者がどんな当直をしているのか」といういいケースになるのではないかなと思います。
とりあえず、よんでイイネ押してください。
 
では、現役若手医師のリアルな姿をご覧ください。
 

はじめに

もるげんは大学病院の医局に属していて、現在は大学病院の病床管理が主な仕事です。
基本の当直はこの大学病院での当直がメインです。
その他に外病院、つまり精神科だけしかない単科病院にアルバイトや当直に出かけています。
だいたい大学病院の当直が月に3-5回、外病院は月に6日前後やっています。
都合、1月に10回前後の当直をしているわけですね。
……月の3分の1は家に帰れていないのです。頑張ってお金を稼いでいます。
まあ、外の当直は基本的に暇なので割と何とかなります。
 
当直業務については後でそれぞれ書くんですが、どこでも共通しているのが「隔離、拘束の診察」です。
日本の法律(精神保健福祉法)に基づき、精神科では不穏、自傷他害の恐れ、その他通常の病棟での管理が難しい場合に個室で過ごしてもらう(隔離)やベルトなどで体を固定する(拘束)をします。
詳しく書くと長いし堅苦しくなるので割愛しますが、この処置をしている患者さんを診察しに行かねばならないのです。
精神科当直の大事なお仕事の一つになります。
ちなみに、牢屋の部屋とかはもうほとんど見ません。
7畳間くらいにぽつんとトイレがあるくらいです。
新しい病院だと、プライバシーに配慮された作りになっているところもあります。
まだちゃんと話せるほどに経験と勉強を積んではいないですが、この辺りの話もいつか書いてみたいですね。
 
それはそれとして、どの病院でも、基本的には夕食を食べ、隔離拘束の診察をして、シャワーを浴びて、寝る。
そして翌日に帰る、あるいは出勤するのが基本的な流れです。
 

大学病院の場合

先に言っておきます。
一番当直したくない病院は、大学病院です。
なぜか?
大学病院の場合、基本的には総合病院なので救急車が来ます。
そうするとやはり重症なケース、あるいは他院では見きれないケースが来ます。
多いのは自殺企図ですね。
過量内服、縊頚、刺創、飛び降り、練炭、エトセトラエトセトラ……
それだけではなく、精神疾患が合併している身体疾患なども来るのです。
例えば、水をたくさん飲みすぎて電解質異常になった統合失調症の方。
うつ病は落ち着いているけど敗血症性ショックで緊急搬送された方。
脳梗塞になった認知症の方。
もういろんなケースが来ます。
何もないときはいいんですが(本当になにもないこともある)、大抵何かしら来ます。
それが20時とか22時とかならまだしも、3時とか4時とかになると、すごく体力が減ります。
ごっそり減って、翌日の仕事もままならないくらいです。しんどいです。
そして、立て続けに来ると、普通に睡眠時間累計3時間前後とか、一睡もできないとか、そんなことはザラです。
ほんと、しんどいんですよ……。
 
いつ重症患者が運ばれるか分からないので、食事も基本的には簡素です。
研修医が一緒に当直するときは出前を取りますが、一人の時はコンビニでカップ麺です。
そして、速攻でシャワーを浴びで9時前にはベッドインします。
多くの睡眠をとっておかないと翌日の仕事に支障が出ますからね。
大学病院の当直は、基本的に仕事とかはしないですぐに寝る。
ゲームもしないですぐに寝る。
寝て、祈る。
翌朝になることをひたすらに祈っています。
頼むから、起こさないでくれ、と……
 

外病院の場合

大学病院とは打って変わり、外病院(単科病院)の当直は平和が基本です。
隔離拘束の診察が終われば、あとはぐっすり眠るだけです。別名、寝当直。
時たま、患者さんが暴れたり、転んで骨折することがありますが、それも半年に1回あるかどうかです。
平和な当直はいいですよ。
心が洗われます。
 
外の当直が基本的に平和なのでもるげんはそこでいろいろしています。
例えば、ネトフリで事前にダウンロードした映画を見たりする。
本をもっていって勉強する。
モンハンする。
ウマ娘する。
だらだらテレビをみる。
ウマ娘する。
そんなことをして過ごしています。
基本的に、平日夜の当直ではゲームをしていることが多いですが、殊勝にも精神科の本を読んで勉強したりすることもあります。
時間は有限なので、有効に使わないとですね。
ちなみに、このブログも当直中に書いているわけでして。
呼ばれなければ寝当直、なんて言われたりもします。
やはり大学病院や急性期をしている病院とそうでない病院との忙しさは種類が異なるのです。
 
外当直の醍醐味のもう一つは、「検食」です。
病院で出る食事を食べて問題ないかをみる、それも大事な仕事です。
ちなみに法律で検食をしなくてはならないと決まっていたりします。
 
病院食は不味いというのが鉄板ですが、最近は一言にそうとは言えなくなっています。
もちろん不味いところもあります。正直、ちょっと食べるのしんどい……なんて思うところもあります。
一方で普通においしい病院食を出す病院もあり、入院するならここがいいなあー、と思うくらいです。
まあ、なんで美味しくないのかと考えればどうしても味付けはやや薄味で火をしっかり通さなくてはいけないので触感がないから、といったところですか。
この辺りはたぶん、その病院ごとの栄養士さんとかの腕もありそうですね。
病院食、奥が深いです。
 
あとなぜか、当直中は食欲が増します。
気付いたら色々食べてしまうんです。
コンビニでアイスやお菓子、カップ麺などなど。
そして当直中に食べるこいつらの美味しいこと美味しいこと……
おかげで去年は+5キロくらいになりました。
筋トレとか食事制限で今はなんとか元の体重に戻っていますけど。
何で食欲が増えるのか、よくわからないですが、たぶんストレスですかね。
当直中は睡眠がとれるかどうか怪しい訳で。
その分の欲求が食欲に回っているのかもしれません。
 
まあ、当直対応後に深夜3時に食べるカップラーメンの味は、そうそう味わえるものではないのですけどね。
 
今日は当直中のもるげん流の過ごし方を書いてみました。
何もないときはだいたいこんな風にして過ごしています。
何かあるとき……あまり考えたくないですね。
そのうち、そういうときのことも書くかもしれません。