墜ち逝く蝶 FateHFⅡ感想
お久しぶりです。
もるげんです。
いや、本当にお久しぶりで、いったい何やっていたんだって話ですよ。
何やっていたかっていうと、うん、まあ
仕事していたとしか言えないんですよね……
やっぱ、医者は想像していたより大分きついというか、うん、超絶ブラックですね。
労働時間2桁はもう、慣れました(白目
医者の労働時間が過酷すぎるって話は置いておいて、久々のブログ更新です。
なんで更新するかっていうかですが、もうタイトルに書いてある通りです。
これ以上のタイトルは思いつきません。
Fate Heaven's Feel第二章、見てきました。
ほんと、第一章観た時からずっと楽しみにしていましたが、ようやくこの日が来たかー!って感じで。
ただ、見た後の感想は
「 や べ え 」
しか出てきませんでした。
どうやべえかを、これから語るわけですが。
というわけで以下はネタバレ注意。
むろん、他のFate作品にかかわることもお話ししますので悪しからず。
正直、まだ一回しか見ていないので(ていうかこの段階で複数回見ることが確定している)あまり記憶に残っていないというか、シーンの所々がうろ覚えなのは仕方ないとして。
ちょっと、印象に残ったシーンを箇条書きにしていきながら話をまとめましょう。
人、それを行き当たりばったりという。
さて、最初は割と日常から始まっていく。夢から目を覚め、桜との朝食を過ごす。
イリヤとの邂逅。
そして、VS慎二戦。
いやあ、相変わらずのクソデカ感情っぷりです。
ようやく手に入れたサーヴァントの力で士郎をぼこぼこにするけれど、士郎の機転で負けてしまう。乱入するアーチャーと凛。
抵抗する桜に、魔術を行使できる士郎。
ぶっちゃけ、まずこの全体が、士郎目線(物語の中心)で考えればただの中ボス戦、ていうかそのあとにくる桜の暴走シーンのお膳立てでしかない。
しかしながら、エンドクレジット三番目に出てくるほどの慎二。このシーンの中心は誰かといえば、間違いなく慎二なのだ。
この辺りは間桐慎二有識者の方々に説明を譲るが、あまり詳しく造詣のない私でもはっきりとわかるほど、ここは慎二が中心にいる。いやいた。
このシーンの驚くべきところは、あまりに自然な流れでシーンの中心が慎二からずれていって桜に向かっていくところである。
この瞬間、本当に慎二を忘れてしまいそうになってしまった。この中心への移行があまりにもスムーズなのだ。
そうすることで、慎二の怒りを明確にはっきりとする。
慎二は、また除け者になってしまうのだ。
ここだけでも、監督の慎二への理解の高さ、彼がこの物語にいかに重要かを示している。
そして、倒れた桜を教会へと連れて行った後のシーン。
いや、何らかしらで来るかと思ってました。
でも、来ると分かっていても心が震えるものがあるんですよ。
通称、「鉄心ルート」の士郎。
それも、彼がたびたび出てくるんですよ。
HF二章は鉄心の士郎が見たかったっていうのもあるんです。
心のどこかで鉄心ルートやってくんないかなと期待もしてましたが(ぼそ
それはそれとして、やはりこのシーンは個人的に好きです……。
あの目、あの髪。すべてを捨てて心を鉄にした士郎。
こんなにかっこよくて、こんなに悲しい姿が、一瞬でも出たのが、本当に好きです……。
さて、その後はアインツベルン城での決戦。
そういえば、この映画、ここで戦闘シーンがラストなんです。
逆説的に言えば、この映画は「戦闘シーン」が見せ場ではないのです。
しかしながら、もう、超ド派手でどったんばったん大騒ぎ。
何が起きてるかわからないけど、とにかくセイバーつええ。
それ以上にバーサーカー強い。
実は舞台挨拶のライブビューイングを見ていたのですが、その際に門脇さん(イリヤ役)が「頑張れバーサーカーって言いたくなる」って言っていたんですよ。
なりました。
言いたくなりました。バーサーカーって。
応援上映なら絶対叫んでましたよこれ。
それぐらいにオルタは強いし、この先の展開を知っているから、とにかく叫びたくなってしまうんですよ。
このシーンだけでも、もうすごかったですわ……。
そのあとのアーチャーVS影戦。
ここはもう、最後の爆発を耐えたアーチャーの姿。
あまりに知っているけど、でも、やはり士郎の面影があるのがやっぱつらいんだよ……
そして常に背中で語り続けるアーチャー、本当にかっこいいんすよ……
ていうか、顔より背中映ってる時間が長いのでは?と思うほど。
さすがは背中で語る男です。
そして、この後です。
前夜はゆびちゅぱで終わったから、「まあ、そうなるな」と思っていました。
そして桜の夜這い。お、まさか。
そんな風に思いながら、衣擦れの音が、桜の肌が。
瞬間、私は思った。
「やりやがったッ!!!!!
須藤監督やりやがったッ!!!!!
俺たちにできないことを(ry」
何度も私は須藤監督に恐怖し打ち震えた。
しかし、この瞬間彼は私の全幅の信頼を勝ち得たのだ。
このシーンこそ、HFの神髄の一端である。HF映像化不可能と言われた一因である。
つまり、これは男と女の物語なのだ。
愛する二人がいれば、することがある。
しかもその行為が彼ら(特に桜)には重要な意味になる。
情事の有無がこの物語の深みに大きく影響するのだ。
舞台挨拶で監督は「必要なことしかしない」と言っていた。
まさにその通りなのだ。このシーンは、HFにおいて何よりも重要なシーンなのだ。
愛する二人が結ばれる。
そのうえで士郎が選ぶ決断。それこそ、彼の夢(衛宮切嗣)との決別になるのだ。
ただ言葉ではない。行為においてこそ、その決断が意味を持つ。
このシーンには、そういった意味が含まれているのだ。
桜かわいい。エロい。
そんな感情もあったけど、二人が結ばれた瞬間思わず涙してしまった。
だって、この先を考えると……と、そんなもるげんなのであった。
HFは男女の物語ではあるが、実はそれ以上に家族の物語である。
つまり、時間軸の線ではなく、キャラクター同士の線が重要なのだ。
SNルート、UBWルート、実はどれも横の向きの線はかなり限定的であり、UBWに至ってはほぼ一人に限定されている。
しかし、HFはそうではない。
凛と桜、桜と慎二、イリヤと士郎。
これらの線が物語にとって何よりも重要となる。
なぜそう言い切れるかといえば、簡単に言えば切嗣の情報の早期解禁である。
それによって、切嗣とイリヤという線が完成する。
これはつまり、「親子」の線であり、その線がイリヤの行動原理に強い影響を与え続けていると知らしめるのだ。
ただ、この線は上記に書いた通り、メインだけでも3つはある。そこに士郎と桜という中心軸があるのだ。そうなると、どうしても薄くなる線がある。
イリヤと士郎はそうなってきているなと感じた。どうしても関りが、原作であれば公園での語りとかがカットされるのは仕方ない。
でも、その中でしっかりと必要なものは描いていた。
物語後半、大河と桜とのシーンである。
もうこのシーンは切嗣大好き人間にはしんどいものが大きすぎるのだ。
まず大河の仮想シーン中の顔とか、それを語る大河とか、その時点でもうやばいのだ。
くわえて、それをイリヤが聞いている。
このシーンの影響はきっと3章につながるんだろうなーと思いながら見ていたが、限られた時間の中でイリヤの線を描くのが、本当にうまいなと思った。
もう一つ語っておくことがあるとすると、桜の「捕食シーン」である。
急にメルヘンな世界になり、何が起こったか理解が及ばない。かわいらしいけど、どこか残酷手グロテスクな世界。
それがあの「語り」が始まると、どんな意味を持つか理解してしまう。
その歪な精神性に、思わずぞくりとしてしまうのだ。
ツイッターで見た一つの考察に、「桜は精神年齢が幼い」というものがあって、これには魘されました。
個人的には捕食との対比としてのグロテスクさ、桜自身の罪の意識のなさの現れなのではないかとも考えましたが。
物語の後半、平凡なシーンが多かったのがまたえぐい作りをしている。
もはや、これ以上日常は来ないと、そう暗示させられているみたいで。
構成力にもうならされます。
あえてもう最後のエンドロールの話に。
AimerのI beg you。
フル聞いたのは今回が初めてですが、これはやばいぜって思った。
相変わらずの梶浦さん、Aimerの表現力と理解力。
HF2は歪みが完成する物語。
この曲は聞いた時から、まるで背骨を引っかかれるような曲調に、陰鬱な歌詞に軽快なテンポを重ねてくる。
今回のHFを完成させるにはうってつけの曲だなあ、と。
なんかね、いろいろ語りたいことは山ほどあるんですが、ちょっと消化しきれないので今日はここまで。
ていうか、明日も仕事なので……。
お医者さんって、本当にぶらっくですね……。
続きとか、語りとかはツイッターで随時。
ていうか本当にこれ、熱量がやばいよなあと。
原作をただ再現しているのではない。
解釈をしたうえで映像、音楽表現としてHFをいかに表現しきるか。
その極限に挑んでいるとしか言いようがない。
表現者として、本当に脱帽するし、絶対楽しいだろうなあって。
去年一年、ほとんど創作をしなかったから、心からそう思うのでした。
というわけで今日はこれまで。
今後はもうちょっとペース上げてブログ書いていきたいです。